http://news.livedoor.com/article/detail/10234430/
空中に金属および樹脂素材を出力する3Dプリンティング技術を開発しているのが研究開発スタートアップの「MX3D」です。各種金属を空中に支持構造物なしで出力して立体物を構成するMX3Dのロボットアームによる驚異の3Dプリンティング技術の実用化が近づいており、オランダの首都・アムステルダムの街中に人が渡れる金属製の橋をロボットだけで作ることが決定しました。
MX3D is to 3D-print a steel bridge over water in Amsterdam
http://phys.org/news/2015-06-mx3d-3d-print-steel-bridge-amsterdam.html
MX3Dのロボットはスチール、ステンレススチール、アルミニウム、ブロンズ、銅を出力可能で、同時に少量の溶融金属を流し込むことで空中に支持構造物なしで橋を建造できる3Dプリントマシン。水の上でも立体物を出力可能で、ロボットはスタート地点から橋を構築しながら、自らが移動するためのレールも出力するため、支えがなくても向こう岸まで橋を渡すことができるわけです。
MX3DのCTOであるTim Geurtjens氏によると「私たちの技術は『箱の外でプリントする』という原理に従ったもので、6軸の作業用ロボットを使ってプリントする技術によって3Dプリンターの『四角い箱』という制限をなくすことができたのです」と説明しています。将来的には"マルチ軸"の産業用ロボットによってさらに高い精度で立体物が出力できるようになるとのこと。MX3Dに協力する設計事務所のJoris Laarman Labは「3Dプリンティング技術はいまだ未開の領域ですが、MX3Dの手法ならどんな素材の表面上でも思いのままのサイズ・形状の独立した立体物を出力できるのです」とコメントしています。
なお、MX3Dのロボットが実際に橋を出力している様子は以下のムービーで公開されています。
MX3D Bridge Visualisation - YouTube
左側の2台のアームがMX3Dの3Dプリントロボット。橋を出力している空中に金属で橋の構造を出力しながら対岸を目指しているのがわかります。
また、MX3Dのマシンが金属を出力する様子や、出力した小さな金属橋を人が渡る様子は以下のムービーから見ることができます。
MX3D to 3D print a steel bridge in Amsterdam - YouTube
バチバチと火花を散らしながら金属が出力されています。
金属製の棒がにょきにょきと伸びていきます。
直線だけでなく、曲線の金属棒も出力可能。
実際に1メートルほどの橋を架けて、男性が渡っています。簡単な構造の橋ですが、人間1人が通るだけなら十分な強度を実現しているのがわかります。
なお、MX3Dがアムステルダムで橋を架けるのは2017年を予定しており、概念実証モデルではなく実際に人が行き来できる強度を備え、20年以上の耐久性を持つ鋼鉄製の橋が作られることになります。
MX3Dのプロジェクトには建築企業のHeijmans、デザイン事務所のJoris Laarman Lab、ソフトウェア企業のAutodesk、ABB Robotics、アムステルダム市議会といった複数の企業や団体が参加しており、2015年9月ごろにアムステルダムの市街のどこに橋が架かるのかが正式発表されるとのことです。
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