http://gigazine.net/news/20150721-first-faa-approved-drone-delivery/
アメリカ・バージニア州で空港に届けられた医療用品をドローンを使って移動診療所まで配達するデモが現地時間2015年7月17日に実施されました。この宅配ドローンはリアルタイム宅配サービスを提供するスタートアップ企業Flirteyが行ったもので、アメリカ連邦航空局による初の飛行許可を得たドローン宅配便となっています。
First FAA-Approved Drone Delivery Drops Medicine in Virginia - NBC News
http://www.nbcnews.com/tech/tech-news/first-faa-approved-drone-delivery-drops-medicine-virginia-n393986
宅配ドローンが森や野原の上空を抜けて目的地に荷物を届けている様子は、以下のムービーで見ることができます。
Flirtey making history with the first US drone delivery - YouTube
宅配ドローンに取り付けられたカメラが地面を映し出しているところからムービーがスタート。
ふわっと地面から飛び立ち……
垂直に飛び上がって、斜め右へクルッと向きを変えます。
森の上空を進んでいくドローン。
森を抜けて、羊たちのいる牧場を通り過ぎていきます。
原っぱに到着。ドローンは風に流されることもなく、安定した飛行姿勢を保っています。
今度は左へと進路を変更。
駐車場の方向へ向かっていきます。
駐車場の右側に、配達場所の目印である水色のシートを発見し、上空でホバリング。
そのまま機体の高度を下げていきます。
このまま着陸するのかと思いきや、カメラを荷物の方へクルッと向けて……
ぽーん、と荷物を離しました。
荷物はふわふわとゆっくり地面に降りていきます。
目印よりもやや下側に着地しそうですが……
無事に、荷物の配達に成功。離陸から配達までの所要時間はたった3分で、車だと空港から移動診療所まで1時間半かかるところ、ドローンを使えばわずかの時間で荷物を届けることが可能でした。
荷物を下ろした後は、ドローンと荷物をつないでいたワイヤーをドローン側へ巻き上げて回収。
機体を180度旋回させて、出発点に戻っていきます。宅配ドローンによる荷物の配達を見るためにバージニア州知事を含む何百人もの人々が集まったそうで、地上からドローンの様子を見守っているのが分かります。
だんだんと地上の人や車が小さくなり……
先ほど通った道を帰っていくドローン。
森を抜けて……
飛び立った地点に帰還。
ゆっくりと着陸して配達完了。往復約6分のフライトでした。
なお、今回使われたドローンは以下のような6つの羽根を持つ機体で、医療用品の入った小包を1箱ずつ配達したとのこと。
宅配ドローンが荷物を抱えながら目的地へ向かって飛んでいる様子はこんな感じです。
上空でドローンが荷物を離して小包が地上へ降りてくる様子を地上から見上げると、2つの黒い物体が空に浮かんでいるのが分かります。
今回デモが行われたバージニア州ワイズ郡は炭鉱で栄えた街なのですが、石炭の需要が減り続けていることで街の活気は失われつつあるそうです。ワイズ郡の裁判所で書記官として働くケネディさんはNBC Newsのインタビューに応じて「宅配ドローンは、炭鉱に依存しているワイズ郡の経済危機を救う手段です。ワイズ郡の貧困率は25%を越えていて、解雇通知が毎週のように貼り出されています。ワイズ郡にアメリカ国内のドローン宅配便を開発したり製造したりする拠点を作れば、住人が貧困の苦しみから解き放たれます」と語っています。
また、ワイズ郡の経済担当官であるデビッド・コックスさんも、地域が生き残るために新たな道を切り開く必要があると考えていて、「ドローン宅配便の初飛行には州知事や大学生をはじめとした何百人もの人々が集まり、初認可の宅配ドローンを見て会場が興奮であふれかえっていました。今こそワイズ郡が変化すべき時で、そのためにドローンが役に立つと思います」とコメント。
Flirteyは「アメリカ国内で初めてFlirteyが宅配ドローンを開始、Amazonがテスト中のドローン配達便Amazon Prime Airに勝利」とツイートしています。なお、Flirteyはニュージーランド国内で既にドローン宅配便を提供していて、アメリカ国内でも今後ドローンによる配達ビジネスを進めていくとのことです。
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