2016年1月19日火曜日

ビーコン技術で屋内位置情報サービスを提供するEstimoteが1070万ドルを調達

アメリカで思ったのは、屋内の自己位置推定は内部センサー意外に外部センサーを頼っている研究も多いなってこと。これは面白い。

http://jp.techcrunch.com/2016/01/18/20160115beacon-technology-company-estimote-raises-10-7-million-series-a/


Estimoteはビーコン技術を活用する企業で、小型のワイヤレスセンサーとそれと連動する屋内位置情報テクノロジーソフトウェアを提供している。大手小売企業やFortune 100に載る65%の企業にサービスを提供する彼らは今回シリーズAで1070万ドルの資金調達を達成した。このラウンドで調達した資金は、小売店が多い彼らのカスタマーベースのニーズに応えるためにビジネスをスケールすること、そして次の一手のための研究開発を行うことに充てるという。
研究開発に関してEstimoteは、新たなハードウェア・プロダクトを近いうちにローンチする予定だという。Estimoteはビーコンだけに留まるつもりはないようだ。
今回のラウンドはJavelin Venture Partnersを筆頭に、新しくHomebrew、Box Group、Digital Garage、Commerce Venturesら、そして複数の戦略エンジェル投資家のグループが参加した。その中には、TellApartをTwitterに売却したばかりのJosh McFarlandも含まれている。Estimoteのシードラウンドに参加した既存の投資家も今回のラウンドに出資している。
コンシューマーにとってビーコン技術は毎日の生活で気にかけているものではないが、その技術はスマホから私たちが身の回りの環境と関わる方法を変えるだろう。
例えば、TechCrunchが以前聞いたところによると、Estimoteは小売大手のTargetにビーコンを提供していて、Targetがアメリカで運営する1800店舗に革新的なセンサー技術を適用しているという。(同社はこれについて明示していない。)
Future of retail by Estimote
Targetの場合、彼らのスマホアプリと店舗に複数設置されたビーコンが連動する。ビーコンは壁や特設販売コーナーなどに設置され、買い物客に詳細情報やおすすめ商品、割引通知などを届ける。それを実現するために、買い物客の位置を複数のBluetooth low energy(BLE)による三角測量とスマートフォンのセンサー情報で認識している。コンシューマー側は小売店のアプリと位置情報を共有することを許可する。最も重要なことはコンシューマーがプライバシーを明け渡すことに怖気づくのではなく、情報と引き換えに得られる価値を見出すことにあるのかもしれない。
Estimoteの共同ファウンダーであるSteve Cheneyは、ビーコン技術は近くを通る買い物客にクーポンを届けるだけの用途に留まらないという。
彼はビーコン技術について「プッシュ通知やクーポンのためだけのテクノロジーだと考えていたのなら、私たちはこの会社を立ち上げていません」と言い、「クーポンの話しかしないマーケッターには疲れます」と話した。
Cheneyのビジョンは買い物客にお得情報をプッシュするだけでなく、Eコマースと実店舗の境界線を曖昧にすることだと話す。いくつかの場合、実店舗を「ショールーム」として上手く活用することができる。例えば、コンシューマーはテレビや洗濯機など高額商品の購入を検討する際、店舗で実際の商品を見たいと思うだろう。そして自宅に配達するのはスマホのボタンを押すだけで手配できるようになる。
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他にもビーコン技術を他のテクノロジーと組み合わせることで店舗内での体験を改善することができる。例えば、ボタンを押して専任の販売員と落ち合うことができるようになるといった具合だ。
あるいは、例えば工務店に行く前に購入する必要のある「ねじ」の写真を撮影し、アプリで地元の店舗の在庫を検索してショッピングリストに加えることができるようになる。店舗に行ったのなら、店舗内ビーコンでそのねじがある特定の棚と位置を知ることができるようになる。
これは近い将来実現できるだろう。Cheneyは現在アメリカの小売のトップ企業、複数社と協力していると話す。
また、Estimoteは彼らの商品で色々試している小規模な開発カスタマーを5万人抱えているという。 彼らは、有力なSaaSビジネスとの橋渡しとなる「lead gen(見込み客を獲得する活動)」の役割を果しているという。 開発者と接する中で、大手企業とのつながりを持つ開発者がいたり、別の開発者はプロダクトの検証を行ってEstimoteの何を修正すべきかやどんなユースケースが考えられるかといった情報を共有している。
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それらは次に何を制作すべきかのヒントになっているという。
Estimoteはすでに新しいプロダクトに取り掛かっているようだ。詳細はまだ明らかにしていないが、Cheneyによると次のプロダクトも既存のプロダクトラインとクラウドプラットフォームと連動するが、新しい物理的な製品が関連するという。
「小売の未来は、壁面に取り付けられたセンサーに留まりません。ユーザーが見るスマホとその画面、そして身の回りの環境で起きることが鍵です」と彼はヒントを言う。このプロダクトはEstimoteが計画している複数のプロダクトの内の1つだ。チームは毎年、新しいハードウェアをひとつずつリリースする予定だ。
多くの企業がビーコン技術を採用するほどEstimoteは成長し、四半期の収益が前四半期を上回るようになった。このスタートアップは収益を開示していないが年間「何百万ドル」の収益があるという。これは新規の投資家にとっては重要なことだ。カスタマー収益で強いリターンが見込まれている。
「2015年のQ4までの8つの四半期で、前四半期比のカスタマー収益のリターンが平均40%伸びています」とCheneyは言う。
追加の資金でEstimoteはニューヨーク、ポーランドのクラクフの拠点の50名のチームにプロダクト開発、エンジニアリング、研究開発、そしてビジネス面とセールスの各部門の人員を採用して加える予定だという。また、サンフランシスコにオフィスを開設することも計画している。

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