2016年2月2日火曜日

映画で学ぶスタートアップ経営 ~映画で業界研究!

そういや見てなかったなー。面白そうだから見てみよう
http://news.livedoor.com/article/detail/11136086/


観るだけでその業界の概略を掴むことができる映画を紹介するこの連載。前回は「メディア業界」について紹介しました。
さて、第3弾となる今回のテーマは「スタートアップの起業・経営」です。 今回紹介する5本の作品は、幽霊退治屋からメジャーリーグのゼネラルマネージャーまで、それぞれ異なる視点から起業・スタートアップについて描かれています。

今回紹介する映画5本
1.ソーシャル・ネットワーク
2.バトル・オブ・シリコンバレー
3.ゴーストバスターズ
4.マネーボール
5.ハゲタカ

1. ソーシャル・ネットワーク


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あらすじ:世界最大のソーシャルネットワーキングサイト「Facebook」創設者、マーク・ザッカーバーグの半生を、鬼才デビッド・フィンチャーが映画化。2003年、ハーバード大学に通う19歳のマークは、親友のエドゥアルドとともに学内の友人を増やすためのネットワーキング・サービスを開発する。そのサービスは 瞬く間に他校でも評判となり、ファイル共有サイト「ナップスター」創設者のショーン・パーカーとの出会いを経て、社会現象を巻き起こすほどの巨大サイトへと急成長を遂げるが...。
公開:2011年
監督:デビッド・フィンチャー
主演:ジェシー・アイゼンバーグ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間:120分

21世紀を代表するスタートアップのあるべき姿
創業者マークザッカーバーグの自伝的なヒューマンストーリー。創業者マーク・ザッカーバーグによる、"永遠に完成しない"世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サイト「Facebook」の幕開けを覗き込むことができる作品。ザッカーバーグが彼女に振られた腹いせで、学内の女子を格付けするというネットワーキング・サービスを、お酒を飲みながら一晩で開発するという驚異の天才ぶりを見せつけるところから物語はスタート。
その後、人々の社交の場をネットワーク上に開設しようというアイディアを元に、36時間ぶっ通しでコードを書き続けるなど、Facebook開発当初の光景が描かれます。Facebookをより早く成長させて、多くのユーザーに発信していこうという情熱と高揚した気分が伝わるような作業シーンは、見ているこちらもハイな気分になり、思わず何かしらの創作衝動にかられてしまいます。
そして瞬く間に4000人のユーザーを持つサイトが完成。それが今の「Facebook」です。それからは着実にユーザー数を伸ばし、投資会社より50億円の出資を受け、ユーザー数100万人を突破するまでに急成長していきます。
誰にでも成功の可能性があるビジネスチャンスは必ず存在する、ということを(大幅な脚色を加えてはいるものの)実話を元に描いているという点で、モチベーションアップや自己啓発としてオススメ。ストーリー自体は人間ドラマが中心で、純粋に映画作品として楽しめる1本です。

2. バトル・オブ・シリコンバレー


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あらすじ:アップルのスティーヴ・ジョブズとマイクロソフトのビル・ゲイツ、2人の天才に焦点を当て、パーソナル・コンピューター創成期の覇権を巡る日々が描かれる。世界を変えた2人の伝説を描いた、実話を元にしたドキュメンタリータッチのフィクションドラマ。
公開:1999年
監督:マーティン・バーク
主演:ノア・ワイリー/アンソニー・マイケル・ホール
上映時間:97分

成功したいなら人のアイデアを盗め!
ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズ、2人の歴史の中でターニングポイントとなった出来事を、時系列順に交互に回想していく作品。

ジョブズ:
通信回線を無料で利用できるようにジャックし、自作したパソコンを販売するようになる。

インテル社のマイク・マクーラ氏やペプシコーラの社長をヘッドハンティング。
GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を他社から盗みリリース。

芸術と科学と宗教の一体化を目指す。

ゲイツ:
プログラミング言語を使用し、コンピュータ会社の販売を支援。ライセンス料が15ドルでは不服のため、契約金4000ドルを交渉して説得させる。

マイクロソフト社設立。IBMに気に入られるために存在しないOSを利用したソフトウェア提供の契約をIBMと成約。

アップル社のマッキントッシュのシステムを盗もうと考える。
NECにWindowsを売り込む。

今、世界的に有名なMacとWindowsではありますが、初めから画期的なアイディアの元に完成したわけではなく、さまざまな他の製品の良いところを組み込んでいくことで、多くの人が利用するOSとして世界に広まっていったということがわかります。
この映画から学べるのは、ゲイツとジョブズ、両者が持っている「相手を引き込むコミュニケーションスキル」と「人のアイディアを盗み自分のモノにしてしまう力」でしょう。
また、ダニー・ボイル監督による映画『スティーブ・ジョブズ』が2016年2月12日(金)に日本で公開されます。原作は作家ウォルター・アイザックソンによる日本でも100万部を超えたベストセラー「Steve Jobs」になります。こちらも要チェック!

3. ゴーストバスターズ


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あらすじ:ニューヨークの大学で超常現象を研究していたピーター、レイモンド、イーガンは、目立った成果をあげることができず、ついに研究費を打ち切られて大学を追い出されてしまう。3人は幽霊退治稼業の「ゴーストバスターズ」を立ち上げ、高級ホテルに巣くう幽霊を本当に退治したことから、一躍世間の注目を浴びるが...。
公開:1984年
監督:アイバン・ライトマン
主演:ビル・マーレイ
配給:コロムビア映画
上映時間:105分

スターアップの手順書
みなさんご存知のゴーストバスターズですが、こちらもスタートアップ経営を学ぶ上でぜひ見ておくべき映画です。大学から研究費を打ち切られるも、ゴーストについて研究を重ねてきた経験からゴーストを捕獲する方法を見つけ出し、まずは幽霊退治をビジネスにしようと「アクション」を起こしていく様は、まさにスタートアップ起業そのもの。
また、起業するのにどういった準備が必要になってくるのかもわかる作品になっています。実家を担保にお金を借り入れ、 オフィスを構え、事務員を雇い、広告を出すetc。休みなしで働くなど、苛烈な労働環境の中でなんとか実績と成果を出すことによって、メディアにも取り上げられるようになります。
なぜただの大学の科学者だった彼らが、ここまでエネルギッシュに行動できるのか? それは彼らが本当にこの仕事が好きで、しかしそれができる場所がなくなったために起業したからです。彼らにとっては起業は手段であって、やりたいことを実現したいという気持ちこそが最も重要だったのです。これは起業する上で肝に銘じておくべきことかもしれませんね。

4. マネーボール


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あらすじ:メジャーリーグ「オークランド・アスレチックス」のGM(ゼネラルマネージャー)であるビリー・ビーンの半生を、ブラッド・ピット主演で映画化。全米約30球団の中でも下から数えたほうが早いといわれた弱小球団のアスレチックスを、独自の「マネー・ボール理論」により改革し常勝球団に育てあげたビーンの、苦悩と栄光のドラマ。
公開:2011年
監督:ベネット・ミラー
主演:ブラッド・ピット
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間:133分

小規模でも工夫次第で大組織に一矢報いることができる!
弱小チームアスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)である主人公ビリー。アスレチックスは万年弱小で、主力も他球団に抜かれていく中、限られた予算内でベストを尽くさなければなりません。ある時、ライバルチームインディアンスのオフィスにて、イエール大卒のピーター・ブランドというスタッフに出会います。そして彼はこう発言しました。
「球団は選手を買うことばかり考えていますが、本来やるべきことは『得点』を多く取ること。そのためにどうすべきかを考え、選手を管理することが重要です」
その考え方に興味を持ったビリーは、ピーターをアスレチックスへ招き入れます。そして選手をさまざま指標と統計から客観的に評価する、「セイバーメトリクス」という手法をピーターが提案。これが当たり、20連勝という野球界新記録を導き出すまでとなります。少ない予算で強いチームを編成することに、見事成功したのです。
弱小企業であっても、現状を分析して緻密な計画を建てることで大企業に勝てる可能性があるのだという、ロマンを感じられる映画でした。

5. ハゲタカ


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あらすじ:2007年に放送され、「企業買収」という斬新なテーマを扱い話題となったNHKドラマを映画化した作品。徹底した合理主義で多くの企業の買収を成功させてきた敏腕ファンドマネージャーの鷲津は、日本の閉鎖的なマーケットに絶望し、海外にその活躍の場を広げていた。ある日、鷲津のもとを盟友の芝野が訪れ、中国系ファンドによる日本の大手自動車メーカー買収を阻止してほしいと依頼するが...。
公開:2009年
監督:大友啓史
主演:大森南朋
配給:東宝
上映時間:134分

企業活動が国や個人に与える影響とは?
投資やM&Aをメインテーマとした珍しい作品。
作中では中国の投資会社のある行動をきっかけに、日本経済は大混乱に陥ります。現在の中国経済の急成長と日本経済の低迷から、現実にこれから日本に起こりうる危機を示唆するようなストーリーです。企業や国の動向が一個人に与える影響、お金によって不幸になる人の存在、また個人・企業・国家の関係性についてなど、多くのことが学べる作品でした。
個のスキルとしては、買収に向けた交渉力の重要性についても学ぶことができました。


今回紹介した5つの映画の中ではそれぞれ異なる業種の企業について描かれていました。この5つの作品を通して学べることは、ことスタートアップ企業の経営においては「やりたいことを実現させる方法についてよく考え、プランを立てながら1つ1つアクションを起こしていき、時には他者の良いところを盗むことも必要」ということだと思います。
作中に登場する起業家・経営者たちの、自分が好きなことにガムシャラに取り組み成果にコミットする姿勢は、誰もが学ぶべきでしょう。
どれもレンタルショップで借りられる作品なので、スタートアップを起業する予定がある人もない人も、ぜひ一度観てみてくださいね。

松浦拓平(マツウラ・タクヘイ)
150830money_twenties6.jpg1987年生まれ。中央大学経済学部卒。在学中に有名放送作家の下でバラエティ番組の企画に携わった後、新卒で松竹株式会社に入社。映画のマーケティングの部署・映画のマーチャンダイジング業務を経て現在は独立し、映画宣伝の企画やカフェのコンサルティング業務など数多くのプロジェクトに携わっている。著書に『実践クラウドソーシング』(インプレスR&D)、監修著書に『めんどくさがりでもうまくいく時間術』(クロスメディア・パブリッシング)がある。
Photo by shutterstock.

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『ソーシャルネットワーク』発売中 
Blu-ray \2,381(税抜)/DVD \1,410(税抜)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
『マネーボール』
Blu-ray \2,381(税抜)/DVD \1,410(税抜)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
『映画 ハゲタカ(2枚組)』
DVD発売中
¥4,800+税
発行:NHKエンタープライズ
販売元:東宝
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